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トレザリウム

「アリストノミア」「別の道」「幸福なロシア」に続く、アクーニンと「チハルチシヴィリ(アクーニン氏の本名)」共著形式の第四弾。第二次大戦末期のドイツを舞台に、例によって、小説の中に政治哲学的な論考(超退屈)が挿入されています。

ただ、今回は小説パートのストーリーがそれなりにしっかりしているので、まあ読めないこともない。

で政治哲学的な論考は、今回は、子供の教育についてのようです。読み飛ばしているので、詳しくは知らん。

トレザリウムというのは、小説の中で、謎の人物ダンツィガーが、ポーランドのユダヤゲットーに開いた子供の教育施設の名前。「トレザ」ちうのはどうやら「トレジャー」のことで、「『子どもの才能』という宝を教育によって発掘する場」という意味のネーミングのようです。

んで、政治哲学的な論考は、このダンツィガーが残したメモとして、ストーリー内に挿入されております。

小説パートの主人公は、ユダヤ少女のターニャと、ソ連青年兵士のレム。この二人が、トレザリウムに関わり、それによって人生が思わぬ方向に展開していきます。

登場人物

レムソ連軍の前線に配置された新米少尉。「アリストノミア」「別の道」「幸福なロシア」以来でてきたアントンとミッラの子供。
ターニャポーランドのユダヤ人少女。ゲットーに収容され、トレザリウムの保育係になるが、ゲットーを脱出してドイツの都市ブレスラウに逃れ、味方のソ連軍の到来を待つ。
ダンツィガー本名は不明。ユダヤ人じゃないのに、ユダヤ人富豪ダンツィガーになりすまし、ゲットーで自分の理想の教育施設「トレザリウム」を開く。
サーニンソ連軍の古参下士官(もとは将校だったが事件で降格された)。レムの中隊に配属され、新米のレムを助ける。
テレキゲシュタポの将校。自分の保身のためにトレザリウムを支援する。

ストーリー

ネタバレにならない程度に解説。

ユダヤ少女ターニャとソ連将校レムの人生が、戦火のブレスラウで交錯する。

ゲットーから奇跡的に脱出したターニャは、ブレスラウで看護婦としてドイツ軍に従軍しながら、密かに味方のソ連軍が来るのを待っている。

一方、初めて前線に来たレムは、途中で謎のノートを入手する。そこには、ダンツィガーがゲットーに開いた理想の教育施設「トレザリウム」の記録が書かれていた。

ノートの内容や、そこに挟まれていた少女の写真に惹かれるレム。やがてブレスラウの攻略作戦が始まり、レムは部下を率いて突撃するが…。

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