「アリストノミア」、「別の道」に続く、アクーニンと「チハルチシヴィリ(アクーニン氏の本名)」共著形式の第三弾。例によって政治哲学的な論考が中心で、非常に退屈です。
ただ前二作と違って、短くかなり薄い。メインのストーリーの合間に、登場人物たちが書いた社会哲学的な論文や、SF小説などが挿入されております。
アクーニン氏は強権的なプーチン政権に批判的で、いまはロンドンで活動しているらしいですが、ロシアの政治なんかどうでもいいから、早くファンドーリンシリーズの次回作を書いてほしいものです。
フィリップ | 「アリストノミア」「別の道」にも出てきた、秘密警察の少尉。頼りにしていた上官が脳溢血かなんかで倒れ、後ろ盾を失いピンチに陥る。 |
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シュヴァンツ | 秘密警察の大尉。フィリップを手下にする。 |
アントン | 「アリストノミア」「別の道」にも出てきた、フィリップの戦友。今は医師。 |
ミッラ | アントンの妻で医師。気が強い。 |
クロッリ | 反スターリン秘密組織「幸福なロシア」のメンバー。 |
スヴァボージン | 反スターリン秘密組織「幸福なロシア」のメンバーで作家。未来のロシアを描いたSF小説を書いたりする。 |
ネタバレにならない程度に解説。
頼りにしていた上官が病気のため、冷酷なシュヴァンツの下で働くことになったフィリップ。反スターリン秘密組織「幸福なロシア」の捜査を開始する。捜査の過程で、かつての戦友アントンがカギを握ることが判明。シュヴァンツに過去の弱みを握られたフィリップは、アントンを犠牲にして自分だけ生き残ろうとするが…。