ニコラス・ファンドーリンのシリーズ

エラスト・ファンドーリンのシリーズの続編というべき作品。主人公は、現代に生きる、エラストの孫のニコラス・ファンドーリンです。

このシリーズは、副題で「修士の冒険」というタイトルがつけられています。ニコラスは、ロンドンで歴史を専攻する大学院生。彼がロシアの歴史を研究する過程で、現代と過去をつなぐストーリーが浮かび上がってきます。

ニコラスはいちおう主人公ですが、エラストのシリーズに比べると、かなり存在感のうすいキャラです。自分の力で道を切り開くというより、何となく状況に流されるタイプ。忍術とかも使えません。

頼りないニコラスがふらふらしているうちに、何百年も過去の出来事について、秘められた事実が明らかになります。

全作品に共通した特徴として、現在と過去、二つの物語が並行して進んでいく、という構成になっています。現代のニコラスの冒険と、過去にニコラスの先祖が体験した冒険が、それぞれに語られ、ラストで二つの謎が合わさって解決する、というスタイル。

なお第三巻「F.M.」だけは、先祖の冒険ではなくて、ドストエフスキーの小説『罪と罰』の別バージョンストーリーが、並行して語られます。

主要登場人物

ニコラス・ファンドーリンエラスト・ファンドーリンの孫で、イギリス育ち。歴史を研究する大学院生で、自分の先祖フォン・ドールン一族の遺物を研究している。身長は199cmもある。他人の悩みに、すぐアドバイスしたくなる性分。

作品リスト

No.題名原題刊行作品の舞台内容
1アルティン・タラバスАлтын-толобас20001995年&1675-1676年 ロシア先祖の遺書をたよりに、「イワン雷帝の図書館」に眠る財宝を求めて冒険。
2課外読書Внеклассное чтение20022001年&1795年 ロシア権力者の争いに巻き込まれた子供を助けるため、ニコラスと先祖が、それぞれの時代で奔走。
3F.M.Ф. М.20062006年&1865年 ロシアドストエフスキー「罪と罰」の未発表原稿を追って、殺人事件に巻き込まれる。
4鷹と燕Сокол и Ласточка20092009年&1702年 カリブ海カリブ海に眠る、海賊ジェレミー・プラットの財宝を探索。

更新履歴

2012/02/13 第四巻「鷹と燕」 を公開
2012/02/01 第三巻「F.M.」 を公開
2012/01/18 第二巻「課外読書」 を公開
2012/01/04 第一巻「アルティン・タラバス」 を公開