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第十一巻 軟玉の数珠/ブリストルのティータイム

時は1891年の4月、それまで順調に特務官吏として出世してきたファンドーリンが、第六巻「五等官」の一件で宮仕えが嫌になり、退役して世界放浪に出かける、そんな時期のお話。

滞在先の英国ブリストルで、大家の老女ミス・パルマーと共に、老伯爵の失踪事件を解決します。

このミス・パルマーも、なんかモデルがあるんですかね。

ここだけの話、ストーリー的には、「あっ、それだけ?」という作品ではありました。

登場人物

ファンドーリンとマサ以外の登場人物たち。

ミス・パルマーファンドーリンの下宿の大家。76歳。幼くして両親を亡くし、バークリー卿にひきとられる。その恩に報いるため、発作で倒れたバークリー卿をずっと看病し、結果オールドミスに。バークリー邸の離れに住んでいるが、バークリー卿の子供たちから嫌がらせを受けている。
バークリー卿伯爵。卒中の後遺症で、車イス生活。
ダニエル・リンバークリー卿の長男。
マシュー・リンバークリー卿の次男。聖職者のくせに慈悲の心がない。
トービアス・リンバークリー卿の三男。変人で、ペットにヒョウを飼っている。
スカルパー人物じゃないですが。トービアスのペットのヒョウ。
ミスター・パースレイバークリー卿の屋敷の執事。ミス・パルマーの友人。
ミス・フレイムバークリー卿の愛人。サーカス団で猛獣使いとかをしていた。

ストーリー

ネタバレにならない程度に解説。この作品は日本語訳が出ていませんが、英訳があるので、結末はそちらでご確認ください。

痴呆の老伯爵が失踪。

退役してアメリカに渡るつもりのファンドーリンは、ブリストルに滞在中。やや金欠で困っている。

下宿先のミス・パルマーは、ファンドーリンに劣らぬ推理力を持つ女性。ティータイムには、新聞に載っていた事件の謎を、言い当てたりする。

そんな中、卒中の後遺症で痴呆の老伯爵バークリー卿が失踪した。家宝の宝石も持っているため、陰険な3人の息子は大騒ぎ。

ミス・パルマーとファンドーリンは、バークリー卿が愛人のもとへ行ったのではないかと考える。愛人のミス・フレイムと会うことに成功し、ついに伯爵は発見されるが、なぜか宝石だけは見つからない…。

挿絵集

アクーニン作品でおなじみの、画家イーゴリ・サク―ロフ氏による挿絵がついています。

ファンドーリンにヒョウのスカルパーをけしかける、陰険なリン兄弟。右上の写真はミス・パルマー。
1891年のブリストル。

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