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第十一巻 軟玉の数珠/0.1パーセント

動機も証拠も全くない、殺人事件の謎を解決する物語。

事件の背景には「0.1%の偶然」が関わっているため、さすがのファンドーリンも、何の手掛かりも発見できません。

お、これは珍しく未解決事件で終わるのか…と思いきや、また「0.1%の偶然」が働いて、犯人がばれてしまうんですねー。

気が利いてて良い作品だと思いますな。

これも、何か有名な古典作品をベースにしているんでしょうか。作品中で、「アメリカの推理小説でこんな事件があって…」と触れられておりますが。

登場人物

ファンドーリンとマサ以外の登場人物たち。

シューベルトモスクワ警察長官。
ボーロフスキー公爵モスクワ総督主催の狩猟大会で事故死。有名な女たらし。
クレビャーキン狩猟大会に参加した男。事故でボーロフスキー公爵を射殺してしまう。借金漬けだったが、急死した伯父の莫大な遺産を受け継いでリッチに。
クレビャーキンの伯父金持ち。ヨットクラブのディナーで急死。アンズの種をかじるのが好き。
サプルイカクレビャーキンの犯行を目撃したおっさん。
ブクビン医師。クレビャーキンの伯父が急死した会食に出席。
フランク銀行家。クレビャーキンの伯父が急死した会食に出席。
リュブシュキン三等官。クレビャーキンの伯父が急死した会食に出席。
神学の大学講師ファンドーリンと汽車のコンパートメントで同室になる。神学についての退屈なうんちくをたれるが、それが図らずも事件解決のきっかけになって…。

ストーリー

ネタバレにならない程度に解説。この作品は日本語訳が出ていませんが、英訳があるので、結末はそちらでご確認ください。

ボーロフスキー公爵が事故死。数日後、目撃者が現れる。

モスクワ総督主催の狩猟大会で、誤ってボーロフスキー公爵がクレビャーキンに射殺された。事故だと思われたが、数日後、目撃者が現れる。

ファンドーリンはクレビャーキンを捜査。急死した彼の伯父が、青酸カリの毒殺であるとつきとめる。

ペテルブルクで捜査を進めるが、まるで手掛かりがない。肝心の青酸カリも、じつは故人が食べたアンズに含まれる、自然のものと判明。

今度ばかりはがっかりモスクワへ帰るファンドーリン。同じ客車に乗り合わせた大学講師は、つまらない話を延々する。しかし、そこで0.1%の偶然が起き、事件の謎が明らかに…。

挿絵集

アクーニン作品でおなじみの、画家イーゴリ・サク―ロフ氏による挿絵がついています。

ボーロフスキー公爵を射殺するクレビャーキン。二人は全く面識が無いのに、なぜ?

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