TOP >エラスト・ファンドーリンのシリーズ > 軟玉の数珠> 0.1パーセント
動機も証拠も全くない、殺人事件の謎を解決する物語。
事件の背景には「0.1%の偶然」が関わっているため、さすがのファンドーリンも、何の手掛かりも発見できません。
お、これは珍しく未解決事件で終わるのか…と思いきや、また「0.1%の偶然」が働いて、犯人がばれてしまうんですねー。
気が利いてて良い作品だと思いますな。
これも、何か有名な古典作品をベースにしているんでしょうか。作品中で、「アメリカの推理小説でこんな事件があって…」と触れられておりますが。
ファンドーリンとマサ以外の登場人物たち。
シューベルト | モスクワ警察長官。 |
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ボーロフスキー公爵 | モスクワ総督主催の狩猟大会で事故死。有名な女たらし。 |
クレビャーキン | 狩猟大会に参加した男。事故でボーロフスキー公爵を射殺してしまう。借金漬けだったが、急死した伯父の莫大な遺産を受け継いでリッチに。 |
クレビャーキンの伯父 | 金持ち。ヨットクラブのディナーで急死。アンズの種をかじるのが好き。 |
サプルイカ | クレビャーキンの犯行を目撃したおっさん。 |
ブクビン | 医師。クレビャーキンの伯父が急死した会食に出席。 |
フランク | 銀行家。クレビャーキンの伯父が急死した会食に出席。 |
リュブシュキン | 三等官。クレビャーキンの伯父が急死した会食に出席。 |
神学の大学講師 | ファンドーリンと汽車のコンパートメントで同室になる。神学についての退屈なうんちくをたれるが、それが図らずも事件解決のきっかけになって…。 |
ネタバレにならない程度に解説。この作品は日本語訳が出ていませんが、英訳があるので、結末はそちらでご確認ください。
モスクワ総督主催の狩猟大会で、誤ってボーロフスキー公爵がクレビャーキンに射殺された。事故だと思われたが、数日後、目撃者が現れる。
ファンドーリンはクレビャーキンを捜査。急死した彼の伯父が、青酸カリの毒殺であるとつきとめる。
ペテルブルクで捜査を進めるが、まるで手掛かりがない。肝心の青酸カリも、じつは故人が食べたアンズに含まれる、自然のものと判明。
今度ばかりはがっかりモスクワへ帰るファンドーリン。同じ客車に乗り合わせた大学講師は、つまらない話を延々する。しかし、そこで0.1%の偶然が起き、事件の謎が明らかに…。
アクーニン作品でおなじみの、画家イーゴリ・サク―ロフ氏による挿絵がついています。
ボーロフスキー公爵を射殺するクレビャーキン。二人は全く面識が無いのに、なぜ? |