タイトル通り、世界各地の墓場をテーマにした一冊。なんかアクーニン氏は、昔から、墓場というものにとりつかれて興味があったそうです。
モスクワやロンドンなど、世界の墓地について、短いエッセーと短編小説が1つずつセットになっています。
この本は、グリゴーリイ・チハルチシヴィリとボリス・アクーニンの共著という体裁になっていますが、チハルチシヴィリというのはアクーニン氏の本名です。エッセー部分はチハルチシヴィリ名義で、短編小説はアクーニン名義になっております。
なお、横浜外人墓地にまつわる小説「シグモ」は、エラスト・ファンドーリンシリーズの第11巻「軟玉の数珠」に再収録されました。
No. | テーマの墓地 | 小説の内容 |
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1 | スターラエ・ドンスコエ墓地(モスクワ) | 内務省のチェフツェフ大尉が、19世紀のサディスト女サルティコヴァの亡霊に会い、秘蔵の宝をゲットしようとする。 |
2 | ハイゲート墓地(ロンドン) | 死後に吸血鬼となったカール・マルクスが、墓参りに来る共産主義者がいなくなって嘆く。 |
3 | ペール・ラシェーズ墓地(パリ) | 墓荒らしの男が、オスカー・ワイルドの墓で指輪を盗み、恐怖体験をする。 |
4 | 横浜外人墓地 | エラスト・ファンドーリンが、赴任先の日本で、妖怪シグモ(死蜘蛛)にまつわる殺人事件を解決。 |
5 | グリーン・ウッド墓地(ニューヨーク) | ロシア系アメリカ人で順風満帆リッチ弁護士のミーシャが、人生を狂わす謎の女に出会う。 |
6 | オリーブ山のユダヤ人墓地(エルサレム) | 超長寿の夫婦が、心中と死後の世界について語り合う。 |