アクーニン氏が「アンナ・ボリソワ」という女性名で発表した第二作め。
原題は「クレアチーフシク」といって、これは現代語で放送作家みたいな人を指すようですが、小説の内容から「ストーリーテラー」と訳してみました。
主人公であるストーリーテラーが、街で出会った人に、超常現象的ないろんなストーリーを語り聞かせる、という内容です。
『世にも奇妙な物語』というTV番組がありましたが、ああいうオムニバス形式的な感じです。
しかし、オチらしきものもないので、何が言いたい作品なのかは不明。
ストーリーテラーの老人 | 謎の人物。道で出会う人に、いろいろな話を語って聞かせる。最初は老人だが、一日の中でどんどん若返っていく。 |
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ネタバレにならない程度に解説。
謎の老人が、マンションのエレベーターで出会った少女に、不思議な話を語る。老人が企画したTV番組で、視聴者参加の宝探しドキュメントをやったところ、殺人犯が紛れ込んだ、という話。
その後も、老人は町で出会う人それぞれに、いろんな話を語る。
独身老女に語った、ある女性の人生を描いた演劇で、3パターンの結末がある話。
ウズベク人のタクシー運転手に語った、三姉妹の人生の話。
文献学者に語った、革命で処刑された詩人の話。
車いすの老人に語った、デジャヴと前世の話。
母親に語った、人相学の話。
美女に語った、謎の映画の話。
話すごとに、老人はどんどん若返っていく。はたして彼の正体は…?そして特にオチはない…。