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第十三巻 最初の超大国

歴史書の七冊目。大帝エカテリーナ二世の息子でちょっとヤバい奴で暗殺されたパーヴェルの後、皇帝になったアレクサンドル一世とニコライ一世の時代を解説しています。アレクサンドルとニコライは兄弟で、どっちもパーヴェルの息子。

時は19世紀、ヨーロッパでは産業革命や市民革命で近代が幕を開けようとする中、この二人の皇帝の統治下で、ロシアは旧来の専制君主制を維持し、だんだん進歩に取り残されていきます。

まずアレクサンドルですが、この人はもともと開明的で、ロシアをもっと自由な国にしたいという想いを持っていたらしい。しかしフランス革命が起きて王族が首をちょん切られたり、ナポレオンが侵攻してきたりで、「自由になんかしてる場合じゃない」となって、後半は反動的になったそうな。

そして次のニコライですが、もともと頭脳がいまいちで柔軟性のない人物だったうえに、即位直後に、革新将校の反乱「デカブリストの乱」があったりして、超圧制になりました。検閲やら自由思想の取り締まりやらで、とにかく社会が停滞したらしい。

アレクサンドルの時代にナポレオンを破ってヨーロッパの超大国となったロシアでしたが、改革が進まずに没落。ニコライの時代のクリミア戦争で、イギリスやフランスに敗れ、「最初の超大国」はその地位を失った、というのがアクーニン氏の見立てであります。

ちなみに、ロシアが次に超大国になるのは、第二次大戦後、ソ連が東側のリーダーになった時、ということらしい。

参考画像

絵画で見るロシアの歴史。

ナポレオンを撃退した皇帝アレクサンドル一世。あごがちょっとしゃくれとる。
アレクサンドル一世の弟で次の皇帝ニコライ一世。自分の容姿に自信があって、たくさんカツラを持っていたらしい。ちょっと首が長すぎませんか。

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