TOP >「ロシア国家の歴史」 >アジア的な西欧化

第九巻 アジア的な西欧化

歴史書の5冊目。一巻まるごと、ピョートル大帝の生涯と治世にあてられております。

ピョートル大帝といえば、ロシアをヨーロッパ列強の一角に押し上げ、海軍を整備し、新たな帝都サンクト・ペテルブルグを建設した人物。旧来のロシアを西欧風に変革しようと、伝統の長いヒゲを禁止したり、いろいろやっております。

ツァーリだけではなく、正式にインペラートル=皇帝という称号を初めて使ったのも、ピョートル大帝。これにより、ロシア帝国が正式に誕生したような感じなのであります。

宿敵スウェーデンを打ち破ってバルト海の支配を確立したり、いろいろな政府機構を改革したり。全部が成功したわけではないが、それまでのパッとしないツァーリと比べて業績多数で、ロシアでもヴェリーキイ=「偉大なる」とたたえられている人物なのですね。

アクーニン氏によると、ピョートルの治世によって、ロシアは「軍事的帝国」として再構成された、ということだそうです。近代化の道を進み始めたヨーロッパ諸国に対し、中央集権すぎるロシアは、皇帝の意思と軍事が優先されすぎて、いまいち庶民の啓蒙が進まなかった、ということらしい。

参考画像

絵画で見るロシアの歴史。

ピョートル大帝の肖像画。身長は2メートル以上あり、怪力だったそうです。親父のアレクセイ・ミハイロヴィチは虚弱だったらしいが、誰の遺伝ですかね。
海軍好きのピョートルが黒海への進出を目指した、アゾフの戦い。
ピョートルに逆らって皇位継承権をはく奪された、息子のアレクセイ。強い親父と、虚弱な息子。なかなか分かりあえませんね。
ピョートルの好敵手、スウェーデン王カール12世。戦いに超強かったが、危険をかえりみずに突っ込みすぎて、足を負傷中。後ろにいる人はコサック隊長のイワン・マゼーパ。

「ロシア国家の歴史」TOPへ戻る