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第五巻 アジアとヨーロッパの間

歴史解説本の三冊目。イワン三世からボリス・ゴドゥノフまでの歴史を扱いますが、なかでも「雷帝」と言われた暴君イワン四世に多くのページを割いています。

アクーニン氏によれば、モンゴル帝国の支配を脱して再び自立したモスクワ大公国は、ロシアの「二番目の国家」になるそうで。それが、リューリク朝最後のフョードル一世なきあと、ボリス・ゴドゥノフの治世が短命に終わり、ロシアは「大動乱時代」に突入。

大動乱時代によってロシア「二番目の国家」は滅び、その後ロマノフ朝が「三番目の国家」として成立した、ということなんだそうです。

イワン三世からイワン雷帝の治世によって、モンゴル的専制政治を取り入れた政治体制が確立し、それがいまだにロシアの独裁的な政治制度につながっている、というのがアクーニン氏の視点。プーチン大統領の絶対的な権力も、このころから続く伝統ということになるようです。

参考画像

絵画で見るロシアの歴史。

大帝と呼ばれるイワン三世。タタールのくびきを排し、国力を充実させたそうです。
ビクトル・ヴァズネツォフ画の暴君イワン雷帝。狂気の表情。
ボリス・ゴドゥノフ。オペラの題材になったことで有名。

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